高く。空高く。
「ぶぉーー」私は広くて青い空を見上げている。
青空には、白く長く続く飛行機雲が描かれた。
私は高校2年生の神崎あゆみ。17歳。
今は学校の屋上にいる。
最近、お昼休みにここに来ることが私の日課だ。
お弁当は教室でたべて、それから屋上に登ってくる。
もちろん1人で。私には「友達」という存在がないからだ。
友達のどこがいいのか。友達がいたら何が楽しいのか。私には未だに分からない。一人でいた方が楽で、好きなことが出来る。なのに何故、人は友達を作りたがるのだろう。
(キーンコーンカーンコーン)授業始まりのチャイム
チャイムがなった。だけど私は焦らない。
ゆっくりと眺めていた空から視線を落とす。その時、
目の前のフェンスに足をひっかけた鳥が羽をバタバタしている。
私はそっとフェンスに近ずき、鳥を手に取った。
鳥は、逃げようとしない。何故だろう。
私は聞いたことがある。幸せを運ぶのは白い鳥。
いま、私の手の上にいるのは白い鳥。
「もしかして、あなたは幸せを私に運んで来てくれたの?」
私は冗談で問いかけた。その時、小さな羽をパタパタと羽ばたいた。大きな青空へ、高く、高く、小さな鳥が消えていった。
1年後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ドンッ!とお腹に大きいものが乗っかる。
「もー千咲!痛いって言ってるでしょー!!!」
「ごめんねっ!!でも、頭だよ?!」
「もー笑笑!!千咲の頭は大きいんだから!」
「何それぇー納得いかなーい」
「冗談だよ笑笑」
「あ、あゆみ?」
「ん?どーしたの?」
「私ね、あゆみに出会えて幸せだよ!ずっと大好きだからね」
今はお昼の時間。私と、、、去年であった千咲は学校の屋上で寝そべって青空を見上げている。あの日のように私は青空を見上げている。
その時、私の頬に一筋の温かい光が流れた。
10/15/2023, 4:34:55 AM