霜月 朔(創作)

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cute!


一片の灯が揺れるたび、
胸の奥で、
そっと響く小さな音。

貴方はまるで、
風に舞う花びらのように、
軽やかに、華やかに、
世界を歩いてゆきます。

ですが、私は。
微笑みの向こう側に立ち、
ただ、貴方を、
見つめるだけなのです。

小さく名前を呼んでも、
想いは風に攫われて。
"I've always thought you were cute!"
こんな、単純な言葉さえも、
届くことのないまま、
消えていきます。

美しいものほど、遠く。
可愛いものほど、脆く。
穢れたこの手では、
触れることさえ、
叶わないのです。

それでも、貴方は、
今日も変わらず、
無邪気な輝きを纏い、
私の知らない明日へと、
歩いてゆくのです。

何も知らずに、
ただ、微笑んで。

2/28/2025, 7:17:38 AM