これは、ただの現実逃避だ。
わたしは辛くても、絶対に顔に出さない。
悲しくても楽しそうに、腹が立っていても穏やかに、苦しくても嬉しげに、笑顔をつくる。
みんなにはわたしはいつも機嫌のいい明るい人に見えているだろう。
それはみんなの為だと、ずっと思っていた。
みんなを嫌な気分にさせないため、空気を暗くしないための思いやり。
心のどこかでずっと美化していた。
でも気付いてしまった。
これは現実逃避だ。
みんなを思うふりをして、本当は辛い気持ちを自分から隠すためだけの現実逃避だ。
自分に笑顔の目隠しをして、痛みから逃げるため。
そのためだけに笑っているのだ。
辛いのを忘れようと知らんぷりをして笑って、みんなの為だと言い訳をして自己肯定感を上げて。
本当は真っ暗な闇の中にいても、お日さまの下だと錯覚させて自分を騙す。
現実逃避でしかないのに。
でもわたしはやめない。
今日もそっと目隠しをつけ、明るく笑う。
いつか、目隠しを外してくれる人に出会えるまで。
涙もふいて、口角をあげて。
さあ、帰ろう。わたしの居場所に。
2/27/2024, 10:17:22 AM