『ルール』
ルールは何のために存在する?
この問いに対し、1人の少年が答えた。
「そこに社会があるから」
一見すると、ルールというものは人間界のみのように感じる。
だが、視野を広げれば人間が “ルール” と名付けているだけで、それに似た習性がある生物は多く存在する。
例えば、猫だ。
縄張り意識が高いと言われている猫、特にオス猫は、自身の陣地に足を踏み入れた他のオス猫を攻撃する。
これは自分のプライドを守るためであり、だが、これはその猫単体ではなく、“猫”という生物の多くがこの習性を持つ。
これは、猫の世界で定められたルールであるとも言い換えることができる。
だが、それは、ヒトと大きく異なる点がある。
猫の縄張り意識は、 “結果として秩序を生む行動“ としてとらえられても、「守るべき規範」として共有されているわけではない。
違反した猫が「悪い」と評価されるわけではなく、裁かれるわけでもない。
ルールは、人間を縛るために作られた。
そして人は、それに従うことを“正しさ”と呼ぶ、それを破る人間がいる。
——ルールとは、守られるために存在するのではなく、
破られることで初めて輪郭を持つものなのかもしれない。
ヒトは、人間は、大きくなりすぎたのだ。
この自然界では抱えきれないほどにまでに。
やがて、ルールはルールを殺し、そして、ヒトをも殺すまでとなった。
だがしかし、歴史的にはルールがなかった時代の方が、人は簡単に死んでいる。
法も医療倫理もない社会では、弱者は普通に切り捨てられる。
世界には、何十、何百、何千万とルールが存在する。
それを全て守るなんて、全知全能の神でさえも不可能だろう。
貴方は何のためにルールを守る?
再びその少年に問いた。
少年は少し考えた後、口を開いた。
「体では従っている。
だが、私は一度も同意していない。
───それでも、この世界ではそれが “正しい” らしい。
……私には、どうしてもそうは思えなかった。」
4/24/2026, 1:39:36 PM