徒然

Open App

クリスマスが近づいてきた。街中は電飾で飾られ、大きなツリーがあちらこちらに出現する。
彼女は何度も見ているこの景色を、今日もキラキラと輝いた目で見つめながら「綺麗だね」と言って笑った。

「今年はどんなクリスマスにしようか」

僕の問いに彼女は柔らかく笑う。

「2人で過ごせる最後のクリスマスだから、特別な物にしたいな。一生の中で思い返した時にふと頭に浮かぶような。何処かへ行こうとか、豪華なご馳走とか、そういうのは要らないから…ただ、2人でゆっくり過ごしたい」

そう言うと自分のお腹に手を当てて、愛おしそうに目を細めた。

「そうだね。最高のものにしよう。でも…ケーキは食べても良いよね?」
「3丁目のケーキ屋さんで今年も予約しないとね」
「サンタの乗った一番小さいやつを」

今年は2人で過ごす最後のクリスマス。特別な夜になるだろう。他愛無い話をしながら未来を語り、いつもより少し高級な料理とお気に入りのケーキ屋さんで買った小さなクリスマスケーキを食べよう。
砂糖で作られたサンタクロースを、今年は蝋燭の火で焦がさないようにしないとな。

そして来年のクリスマスの話をしよう。木が早いと言われるだろうか。だけど僕はもう楽しみで仕方ないんだよ。
きっと来年のクリスマスは今年よりも特別な物になると思う。だって家族3人で過ごす、初めてのクリスマスになるのだから。

#イルミネーション

12/15/2023, 4:27:13 AM