終電がなくなった夜中の駅のホームに、
懐かしい人たちと笑っている私がいる。
みんなと出会った高校の最寄駅。
楽しかったあの頃と同じ顔と馴染みのある制服。
「また会えたね」
「元気にしてる?」
「この前のドラマにお前の好きな俳優出てたよ?」
「マジで?見てなーい」
「内容はありきたりな恋愛ドラマだったけど」
そんな何気ない会話の中にぎこちない違和感がある。
みんなマスクをしていて、目が笑っていない。
でも、それ以外はあの頃と変わらない。
ただ、私たち以外に誰一人見当たらないことを除いて。
最近、仕事が忙しくて誰かと笑顔を話すことがなかった。
だから今のこの時間が永遠に続けばいいと思っている。
この不思議なくらい平和な景色が。
でも、いつかは終わりが来るのはわかってる。
目が覚めるまでにこの『今』を頭のDVDに記録しよう。
挫けそうになった時、このDVDを見て気力をもらう。
ありがとう、思い出させてくれて。
私には、共に笑い合える仲間がいることを。
8/4/2024, 6:53:44 AM