仲間
「フレー フレー 赤組」
「フレー フレー 青組」
「フレー フレー 黄組」
クラスの応援団の声が聞こえる。
僕の番が回って来る
パシッと青いバトンが 僕の手に
乗せられる。
僕は、自分の 限界の 全速力で走る。
コースを周り 一位に 踊り出たと
思ったら 黄色組に 抜かされる。
背後には、赤組も 迫っていた。
このままでは、 最下位は、確実
もう駄目かと 思ったその時...
「頑張れ 頑張れ 青組!!」
「頑張れーーーーっ 青組!!」
クラスのチームの 仲間の声が聞こえた。
その声は、唱和し 谺し 僕の耳に届く
ドクン ドクンと 心臓が 鼓動し
その声が 僕の足を 前へ 前へと
引っ張る。
「頑張れ!!」 いつの間にか僕に
バトンを 渡した子の声も聞こえる。
そうだ 僕は 託されたんだ。
あんなに 皆で 練習したじゃないか!
僕自身が 諦めようとするな!
大丈夫 大丈夫だ!
ゴール手前 黄色い ハチマキの背中が
見えた。
ゴールテープも もうすぐ目の前だ
走れ 走れ 走れ 走れ!!
止まるな アンカーの意地を見せてやれ
黄色いハチマキの子と 並んだ。
そして テープを 身体で切った。
黄色のハチマキの子も ほぼ ほぼ同時
だった。
どっちだ どっちだ
判定の結果 タッチの差で 僕達青組が
テープの 接触にギリギリ お腹の皮
一枚分くらい 速かった。
その結果を見て 僕は、
「やったあ~」飛び上がった。
いつの間にか 仲間達も 集まって来て
僕は、クラスの人達にもみくちゃにされた。
でも 全然 痛く無かった。
むしろ 嬉しかった。
最後に 僕にバトンを渡した子と目が
合った。
僕達は、互いに ニッコリと笑って
パチンと 手をぶつけ合い ハイタッチを
した。
そうして 僕達のクラスは、総合優勝を
果たした。
仲間達と 協力して 練習した
運動会は、見事に 大成功を納めて
終了した。
12/11/2023, 1:40:10 AM