冬華(トウカ)

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ブブッ
深夜、泥棒も寝るような、静かな暗闇
思わず涙が出てしまうような、寂しい夜
その中で、私のケータイが、ぱっ、と明るくひかる
寝ようにも寝られず、布団の中でぼーっとしていた私は、ケータイに手を伸ばした
画面を見ると、「1件のLINE」という通知が、青い画面に浮かんでいる
ロックを解除すると、先ほどよりも明るい画面が、ばぁっと広がる
眩しさに思わず目を細めて、目が慣れてきたところで、特徴的な緑色のアイコンに触れる
何人ものユーザーの上にある、君のアイコン
赤い数字で「①」と書かれたそこを触れると、決して短くはない、毎日積み重ねてきたトークが広がる
たまに今までのトークを眺めるのが、一つの楽しみだったりするが、そんな時間の一番下に表示されている「未読メッセージ」
寝てる?
っていう一言が送られてるだけだったが、それでも私は嬉しくなって、返信をする
静かな闇に響く、たたたっ、という軽い音
私の中の寂しさは、その存在があったことを忘れさせるほどに、無くなっていた

7/12/2024, 7:59:57 AM