オルカ

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題:「子供の頃は」

「い〜れ〜て!」
髪の毛を高い位置で二つに結んだ小さな女の子が、三人の女の子達に笑顔でそう言った。
「い〜い〜よ!」
その女の子達も、笑顔でそう返した。
「無垢だなぁ…。」
砂場で仲良く遊んでいるその子達を見て、遥は微笑みながらそう呟いた。
遥は14歳。ある理由で学校には行っていなかった。ここは、遥の家の近くにある小さな公園。遥は昔から、この公園が好きでよく来ていた。
「懐かしいな…。私もあの子達くらいの時は、よくああやって仲間に入れてもらったっけ…。」
遥は懐かしげに、でもどこか悲しげな目をした。
「今の私がそんなことしたら、笑われちゃうもんね…。あの時も、そのせいでハブられちゃったんだろうな…。子供の頃は、あんなに仲良く遊んでくれてたのに…。」
そう言うと、遥は公園から出た。
「もう二度と、ここに来ることはないだろうな。さようなら、思い出いっぱいの公園。」
それが、遥の最期の言葉だった。

ーーーENDーーー

6/23/2024, 12:26:56 PM