岐路
ずっと長いこと、歩き続けてきた。それでもまだ、ゴールには程遠くて。
何度目かの岐路に立ち、ため息をつく。
道標もなければ、案内もないその分かれ道は、どちらに進んだとしても、きっと後悔しかない。
本当はやりたくないのに、選びたくもない二択を選ばざるを得ないこの状況が嫌だった。
泣きそうになりながら、道を眺めるが、どちらも進みたくはなくて。
瞳に溜まる涙がこぼれ落ちたとき、ゆっくりと足を前に踏み出した。左右に分かれる道を見ながら、前へと進む。
道なき道は、用意されていた道や敷かれたレールの上とは違って、とても自由で、ただただ美しかった。
6/8/2023, 1:39:21 PM