胡星 (小説書き)

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Theme「雪」




「雪だ……」

家の窓から外を見てみると、雪が降っていた。

私が住んでいる地域に雪が降るなんて珍しく、正直結構驚いている。

しかも私が気づいていなかっただけで、結構前から降っていたらしく、少し積もっている。

「……あっ」

雪をみて閃いた。

インドア派の私が珍しく、外に出る支度をする。

「雪が降るなんてなかなかないし、せっかくだから……」

私はバイクに跨り、走り出す!!

「雪見温泉にしゅっぱーつ!」

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【雪見温泉】
その名の通り雪を見ながら入る温泉のこと。雪見温泉は場所によって12月上旬から3月下旬まで楽しむことができます。
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「ついたっ!!」

日帰り温泉館!

ここなら日帰りで安いし、露天風呂もある。

「……!」

しかも周りを見ると、いい感じに雪が積もっている。

「BESTお風呂タイミング!」

そうしてしっかり料金を支払い、いざ。

温泉へ!

の前に身体をしっかり洗って。

「今度こそ露天風呂!」

そして扉を開けると。

「さささ、さむぅ……」

そ、そりゃそうか。雪降ってるし。寒いし。

でも、だからこそ。

「ぷはぁ〜」

温泉が気持ちいんだよなぁ〜。

寒くて冷えきった身体が、温泉で一気に温まる感じ。さいこう……

少し遠くを見てみる。

「雪を見ながら入れるなんて、贅沢だな……」

普段雪をみたい!なんて思ったら遠くにいかないといけないからダメだったけど、今日はラッキー。

1人でゆっくり遠くを眺めていると。

「いや〜、今日は寒いわね。」

「そうね〜。でもこういう時の温泉は気持ちいいわよ」

60歳くらい?のおばあちゃん2人が入ってきた。

「はぁ〜。あったまる〜」

すると1人が私に気づいて。

「そこのお姉さんっ。今日はおひとり?」

「はい。ちょっと雪を見ながら温泉入りたいなって思って、バイクで」

「まぁ、バイク?寒かったでしょう」

「すごい寒かったですよ。でもおかげで温泉気持ちいいですけどね」

そしてしばらくの間、3人で話をした。

こうやって初めて会う人達と話せるのも、温泉ならでは。

「あっ、もうそろそろ行こうかしら」

「お姉さんもほどほどにね。のぼせちゃうと危ないから」

「はい。ありがとうございました」

すると思い出したかのように、私に聞いてきた。

「お姉さん、日帰り?」

「そうです」

「なら、ここ温泉以外にも色々あるから見てくといいわよ」

「でも余り長居すると、帰りたくなくなるから気をつけて」

そうしておばあちゃんたちは行ってしまった。

「温泉以外にも色々?……」

その言葉の意味はすぐに分かった。

温泉の1つ下の階に色々あった。

お土産屋さんに、ご飯食べられる場所に……

「ぼ、ボウリングまで……」

すごいな。なんでもそろってる……

その後は満足するまで、ここで過ごした。

美味しいご飯を食べ、少し遊んで、お土産も買った。

そして最後にマッサージ機でゆっくり。

「それにしても、本当に帰りたくなくなるな。これ」

こんだけゆっくりしてしまったら、自ら寒い道をバイクで走るなんて絶対にしたくない。

でも……

私はバイクに乗る。

「というか、乗らないと帰れないし」

また雪が降ったら、温泉行くか。



終。




おまけ。

「もしかして温泉入ってのぼせそうになったら、1回出て身体冷せば、また入れるのでは? 」

温まって冷えて温まって冷えて……

無限ループできるぞこれ。

「ヒートショックには気をつけるんじゃぞ」

「なっ、よ、妖精?っていかヒートショックって
なに?」

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【ヒートショック】
寒暖差によって血圧が急上昇・急降下して血管や心臓に大きな負担がかかること。 特に冬の入浴中に起こりやすく、最悪死に至ることもあります。
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「き、気をつけないと……」

「対策としてお風呂から出た場所を、予め温めておくというのもあるぞ」

「これからやってみます」

「みんなも血圧のジェットコースターには気をつけてのぉ」

1/8/2024, 8:17:38 AM