過眠症の中で生きる

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忘れたくても忘れられない
10月6日の投稿を読んだ方が理解出来ます◎


あの日、真っ白な雪の上に赤黒い血が落ちる瞬間



ハッとして夢が覚める。
冷や汗が出て、息が荒くなっていく
心拍数が上がって、しばらくしたら下がる。
数分の出来事なのに1、2時間の出来事に思えてくる
少ししたらアラームが鳴る
スマホを手に持ってアラームを止める

....顔を洗わなきゃ
思考が遅くなる中、1つずつやらないといけない事を頭の中で整理する。
ベットから降りて、スリッパを履く
寒い。
ストーブとエアコンを付け、洗面所に向かう
酷いクマだ、見ていたくは無い
咄嗟に鏡から目を逸らす。
温かいお湯にするのが面倒で、冷たい水のまま顔を洗う。
目が覚める
リビングに行って、薬の入ったケースを開ける
違う種類の薬を2錠手に取る。
水をコップに入れ、薬を飲み込む
何の味もしない。
クローゼットに身体を向け、何の服が良いか少し考え、いつも通りの黒いスウェットに2本の白いラインの入っている黒のズボンを履く。
少し毛玉がある

仕事には行かない。働いてないし
ダウンジャケットを着て、外に出て、ゴミ捨て場に向かう


ゴミ捨て場にゴミを捨て、少し留まる。
........思い出が少し蘇る

考えるのを辞め、小走りで部屋に戻る。
化粧を少しして車に乗る

コンビニに寄ってあの人が好きなお菓子と、梅の入ったおにぎりを1つ買って、病院に向かう。
どうせ食べられないのにね、


101号室と書かれたプレート。
隔離されている個室に入る
他の部屋とは少し違う広い個室
お願いをして、変えてもらったのだ。
日焼けのしていない真っ白な肌が目に映る
今日も息をしている事にホッとする。
今ではチューブや管が外され、酸素マスクのみになっている
ピッピッピッピッと言う安定したリズムが静かな病室に響く。

買ってきた物を机に置いて、あの人に話しかける
おはようございます。
もう冬が来ましたよ、貴方が話さなくなって、これで何回目でしょうね。
と少し皮肉の様な言葉を吐いた

あの日、事故にあってからこの人は目を覚まさない
血が飛び散る中、クラクションが鳴る。
プーーーーーーー
大きな音
骨が折れたような、砕けたような音
ぶつかって鈍い音が重なる

私は何も出来なかった。
だからこうして償いをしている。
これは、永遠に続くのだろうか。
考えて、忘れて、考えて、また忘れてを繰り返す。


本当は忘れてなんか居ないけど

病室で目を覚ます。
寝てしまっていた様だ。
またあの夢を見た。

忘れたくても忘れられない

永遠に続くのかな

10/17/2023, 1:18:21 PM