そう言えば、いつも無茶をするのは君だった。
ニコニコと近づいて、一瞬で仲良くなって、理解の追い付かない世界に連れ出すのはいつも君で。
俺はいつも、その後ろをついていくのがやっとだった。
無邪気で、明るくて、自由奔放な君と見ていた世界は、本当に綺麗で楽しかった。
でも、君の目はもう、光を宿してなくて。
それがどうしても悔しくて、哀しくて。
”怖がり”な俺を庇って、”怖がり”な君が奮起して。
そうして起きてしまったことが、取り返しのつかないことだって、気づいた時には手遅れで。
本当なら、俺がそうなるはずだったのに。
それでも、君が楽しそうに笑うから。
”怖がり”な俺はまた、君を殺しながら笑った。
怖がり
3/16/2023, 11:30:46 AM