【月に願いを】
「流れ星って、願い事叶えるって言うじゃん」
「消えるまでに三回言えば、叶うってあれね」
「あれさ、月だったらよくね?」
「なんて?」
「だからさ、月に願いをかけられたら、もっと大きい願い事出来そうじゃない?」
「月、流れ星なったら怖くね?」
「怖いけどさ」
笑って、そいつは外を見て、
「小さい星だったら、無理そうだからさ」
ベッドに横になったまま、点滴に繋がれた腕を少し触って、ちょっと微笑む。
自分は、一緒に暗くなってきた外を見ることしか出来ない。
月が、輝き始めていた。
5/26/2024, 12:34:29 PM