つやつやの光沢がある焦茶の椅子に沈み込んで、
ミルクティーベージュの髪を背もたれに下ろしましょう。
五分ごとに貴方の指でさらりと靡かせて。
ルイボスティー片手に、非可逆と不可逆の逆説的な事象を数えること。
それは、深海のシリンジに零れ落ちた
昨夜のターコイズフリンジは…
青くどこかおぞましくて……
惑星とカーテンの裂け目で、
西暦1143年のヴィンテージワインを
たったひとくち。
貴方と飲みたいの。
月夜の境界線上には、
決して同じ氷に戻ることの出来ない
たった一度の生ぬるい、お水
今日も、ずっとずっとその先も。
わたしは、其処にいるって信じていました。
“先生、わたし、なおるんですよね。”
(永遠にも思えた、沈黙)
数百年後の、またまた夜のこと
貴方のつけた優しく痛々しい跡も
私を形作ったものたちが
みんなみんな消えてしまっても……。
9/16/2025, 11:02:04 AM