「ね、今日はありがと」「なにがぁ?」 半分くらい夢うつつの彼女がぼやりと返す。化粧を落としたその顔があんまりにもかわいいから、ふくふく笑って頭を撫でた。「初めて連絡なしでうちに来てくれたから」「なぁにそれ。連絡しろって怒るならともかくさぁ」「それなら鍵渡さないでしょう。…ね、これからもいつでも来ていいんだからね」 8割ほど夢うつつの彼女が少しの後、うん、と小さく溢したのが聞こえた。かわいくて、愛しくて、目の奥がじわりと滲んだ。
9/19/2025, 12:08:14 PM