今年も、中身に圧迫されて歪に丸まったダンボールが届いた。
まるで誰かが中からそこをこじ開けようとしているみたいに上面はすっかりこんもり膨れ上がっている。それを今年も、ガムテープがその身一つで懸命に押さえつけていた。
その仕事ぶりにしては少し可哀想だったが、結局私は自慢の爪をそこへ刺す。
私が裂いてった隙間から、黄金の輝きがまるで金箔の湧水のように溢れ出していき……
ついにダンボールの上面は弾き飛んだ!
冬に実る夕色の月が、いくつもいくつもジャンプをし、床にどすんと落ちて、転がっていく。
私はそれをすっかり見届けて、これを機に冬の気分になるのだ。
ああ、いや……まだだ。
今年もまた、そう思いとどまる。
私は笑みも抑えきれないままに、ダンボール箱の影から一通の手紙を覗いた。
その上にさえも、豊満に実を太らせたみかんが逆さに構えている。
私はそれをそっと退け、手紙を拾った。
11/6/2025, 1:25:33 PM