あひる

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お題「過ぎ去った日々」



歩く度に景色が流れていく
それは新幹線の窓から景色を眺めているようだ。
否、それよりももっと早い。
それは景色というより勢いよく流れている川のようだ。

「私はいったい」

目覚めた女性はベッドの上で静かに呟いた。
見慣れない景色だ。
机に本棚があり、私が座ってるベッドがある。
物の名前も意味も分かる。でも

「何も思い出せない」

辺りを見回してみたが得に気になるものはない
自身の記憶は無いがこの部屋は至って普通の部屋だと感じた

「私は、学生だった?」

机の上に無造作に置かれてる教科書を眺めてる
その時少女の目に置き鏡が映った
反射して見えたのは、ベッドの上に座ってる1人の少女だ。

「これが私?」

初めて自分の顔を見たが、普通だった
実際は初めて見た訳では無いとは思うのだから、少女は不思議な気持ちで鏡を眺めてた

コンコン

小さく扉を叩く音に少女は少し驚き体を跳ねさせた。
扉が開き女性が顔を出す

「起きてる?」

「えっと、だれ、ですか?」

「寝ぼけてるの?ご飯出来たから早くきなさい」

ガチャんと扉は静かにしまり、女性が扉から離れていく気配を感じた

「だれ?」

見知らぬ人に声をかけられて少し不安が高くなった
何も分からないという事実がとても恐ろしく感じて来た。

幸い先程の女性に悪意はなさそうなので、女性の元に行く事にした。
ちょうどお腹の虫も鳴っている

ベッドから立ち上がり扉に向かおうとした時、ふと何かに気づいた?

「記憶の、無くなってる私へ。?」

地面に落ちている手紙を読み、彼女は自分のこの状況が自分の欲のせいで起こった事だと知り、その場から動けなかった。


3/9/2023, 11:12:19 AM