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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第二十四話」

「じゃあ、志那ちゃん。武器を使った事が無いって事は…」
「一度も戦った事がありません」
「あ…どうしよう」
志那とスカイは、黙ってしまいました。
「武器の使い方から、教えてもらえないでしょうか…?」
「初歩の初歩からね」
スカイは、志那に武器の使い方を教える事にしました。
「志那ちゃん、まずは武器を持ってみて?」
「武器を持つ…ですか?」
志那は、メイデンソードを持ちました。
「武器は…持てるみたいだね。次は、藁の標的を切ってみて?」
「やってみます!」
志那は、藁を切ろうとしましたが、立体映像みたいにすり抜けて、斬る事は出来ません。
「あれ…?切れない…」
「集中力が足りないかな?もう少し、思いを込めるように武器に力を込めて見て?」
「もう一回!」
志那は、思いを込めるように武器に集中して切ってみると、藁に切り傷が付きました。
「やった!」
「間合い斬り出来るようにもっと!」
志那は、何回も繰り返すうちに、ようやく藁の標的を半分に斬る事が出来ました。
「出来た!」
「よく出来たね!この調子」

「コレで、他の物も斬れるのかな…?」
志那は、竹の棒を切ってみました。
「えいっ!」
竹は横に真っ二つに切れました。
「藁よりは硬かったけど…竹でも切れた!」
「武器の使い方はこの辺で良いかな?次は、技を教えるね」
「技?」
「その武器はメイデンソードだから鋼属性かな?僕達は基本はどんな属性の技や術でも使えるけど、武器の属性の技や術は威力が強くなるんだよ」
「じゃあ、鋼属性の技や術で戦って行けば良いんですか?」
「うーん、相性の問題もあるからね…相手が水で自分が火だったら、不利な戦いになるからね。他の属性の技や術も習得する必要があるんだよ」
「じゃあ、色々覚えないと…」
「まずは、鋼属性の技からね。僕は風属性だけど…」
スカイは、鋼属性の魔術書を持って来ました。
「皆、何で魔術書無しで教えようとしてるんだろ?まずは、簡単なメタルショットから行くね」
スカイは、メタルショットを繰り出しました。
「金属片が伸びて、突き刺す技ですね」
「志那ちゃんもやってみて」
「メタルショット!」
志那は、メタルショットを繰り出すと、スカイの見本までとは行かないけど、金属片が現れて、標的目指して伸びました。
「この調子!応用でメタルセンスショットや鋼吹雪も出来るようになるんだよ」
「メタルセンスショット?鋼吹雪?」
「メタルセンスショットは扇状にメタルショットを放つ技、鋼吹雪は金属片を相手目掛けて飛ばす技!」
「スゴい!教えて下さい!」
「まずは、メタルショットを習得しなきゃ」
志那は、何度かメタルショットを放つうちにコツを掴めて来ました。
「メタルショット!」
志那のメタルショットは、遂に標的に届きました。
「やったー!」
「志那ちゃん、おめでとう。遂にメタルショット習得だね」

「何だか、魔法を使ってるみたい…」
「あはは、僕達にしてみればいつもの事なんだけどね」
スカイが見た志那の表情は、希望に溢れたかのように輝いていました。
「何だか、新鮮な気持ちです。コレで私もカインドみたいに戦えるんだなって」
「志那ちゃん、今日覚えた技で、どんどん戦っちゃって!」
スカイは、慈悲深い感情で志那を見ていました。
「他の技も教えてくれるんですか?」
「勿論、明日も教えるよ」
「ありがとうございます!」
「今日はココまで!また明日」

9/22/2022, 10:23:38 AM