誰かさん

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 彼奴のお気に入りの人間は変な奴だった。
 いつも彼奴とその人間が仲良かったからか知らないけど、ペアを作るときは必ずこっちに寄ってきた。
 彼奴はなんだかんだ愛されてた、現実の人間から。
 愛されるような性格をしているもん。真面目だし優等生。テストの成績は…まぁ多少悪くとも、クラスに一人は居て欲しいような奴だったから。
 まぁでもあの人間から好かれたのはかなりすごいとは思った。
 あの人間は人に興味を持たない、だから僕と似てる。だからこそ接しやすかったのかもしれないけれど。
 だからこそ、彼奴の方に興味を向かせたのはすごいと思った。
 そんな彼奴の人生を殺したのは僕だけど。
 中にいるときの姿とは全然違ったから、最初は困惑したよ。
 此奴が?彼奴の言ってた、お気に入りの人間?って。
 本当に優等生だったよ。成績も良けりゃ顔もいい、授業態度も運動もいいから。
 まぁコミュ力は彼奴よりかは下だったかもね。知らないけど。
 あ、でも言動とか癖とかは本当にそっくりだった。だから此奴かって分かった。
 君を探して、やっと分かった。彼奴から伝えておいた方が良かったって。
 お前があの時伝えておけば、僕もこんな、君みたいな演技をするつもりなかった。
 別に彼奴のせいでもないけどさ。彼奴から伝えておくべきだったなとは思った。彼奴の方が、付き合いが長いし。
 僕が君を殺したって、僕じゃなくてあんたと仲良ししてたのは彼奴だったって、伝えたらあの人間はどういう反応するのかな。
 期待するだけ損だよ、うち。僕らの望む反応なんてしないさ。

3/14/2025, 1:12:49 PM