今日、ふと 思い立ったので、街へ出ることにしました。
外出用の お洋服を着ると、たんすの上に 置きっぱなしだったお洋服の、ひんやりとした 温度がつたわってきました。
ちょっとだけ、鳥肌がたつような 感じがしました。
わたしは、独りなので つぶやいても いいよね。
「寒いね」
鞄に、必要なものを、さっと しまいました。
ホットミルクのような色をした 鞄でした。
でも、皮肉なことに、すこし ひんやりとしていました。
わたしは 慣れてしまった、鳥肌がたつような 感覚を、また 感じました。
玄関の、うす汚れた タイルの上に 立ちました。
やわらかいけど 硬い、ココアのような色の ショートブーツを、さっと 履いてみました。
重厚感のある 生地では、リラックスする事は できませんけど。
土に、くしゃくしゃの金箔をまぜたような 色の、ドアノブにふれました。
少し、腹でうずをまくような 感覚がありましたが、こころの笑みで 紛らわしました。
「いってきます」
鉛がついているような、重いドアを 押しました。
『街へ』
1/29/2026, 5:53:52 AM