乱雑に郵便受けの中に手を突っ込む。
指先に感じたのは、柔らかくて少し硬い、沢山の紙の感触。
彼は白い息を吐きながら、それらを無造作に引っ張り出した。
見ると、堅苦しい字で書かれた手紙や、几帳面に封緘された手紙、可愛らしい柄のある手紙などが十枚程度届いている。
彼は家に上がると、まず封のしてある手紙から、一通一通丁寧に中身を出した。
そうして出した手紙と、封のしていない手紙とを順番に座卓に並べる。
それに満足すると、左上の手紙を手に取った。
どうやら読むらしい。
太陽は真上に昇っていた。
いつの間にか、通りは騒がしく、鳥はさえずることをやめている。
彼も、あらかた手紙に目を通しおえたようだった。
手紙を一つの束にまとめ、立ち上がり、タンスに向かう。
一番上の引き出しを、静かに引いた。
中には、複数枚に分け、一纏まりにしてある手紙の束がぎっしり詰まっていた。
彼はそれらの上に、今年届いた手紙の束を投げるように置いた。
秘密の手紙
12/4/2025, 10:39:50 PM