ひとひら
私の幸せは、薄いガラスの上に乗っているものだと気が付いたある日。
ある日、父親が事故で死んだ。
ある日、母親は病んで精神科に入れられた。
私は、まだ五歳。
祖父母は、私を見なかった。
「あなたに構ってなどいられない」
やがてお母さんは、私を忘れた。
記憶障害だと医者は祖父母と、私に説明をした。これは残酷な世界に落とされた気分だろう。
「お母さん、私!私だよ、、??」
毎日母親に話しかけた。思い出す日を待っていた
その努力は報われず、私が母親を理由に縛っていた、ひとひらのガラスは割れ、砕け散った。
「自殺する、勇気なんてなかったと思ってた」
終わりでいい。これで私も。
ひとひらの、人生は。
4/13/2025, 4:15:48 PM