気分屋の鮭

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ぐつぐつぐつ
母が鍋を持ってくる
あの大きな手袋子供の頃の私は憧れてた
あんなにおっきいのが羨ましかった。
きっとキラキラとお目目を輝かしていたのだろう。
履いてみたい!と母に言って
小さなサラダを運ぶときにもはかしてもらったものだ。
滑るからグッと力を入れて、
あの時は母に顔にも力が入ってると笑われた。


ぐつぐつぐつ
「よし、できた。今そっちに持っていくね〜!」
「はーい!」
元気な男の子の声がする。
私は、ミトンを履いて鍋を持っていく。
目をキラキラとさせた、男の子
今年で6歳になった私の息子がリズムを刻んで
楽しそうにまっている。
隣にはゆっくりとまっているシワが増えた母がいる。
きっとこの景色は母が見ていた景色なのだろう。


すると息子が、「早く〜」と、言ってきた。
食に興味があるのは旦那にそっくりだな。
そろそろ帰ってくるはずだ。
母は、「あら、あら」と、相変わらず優しいんだから。
そんなところも大好きだ。
母が見ていた景色は、こんなにも温かったんだな〜

12/28/2023, 7:26:07 AM