もう信じらんない!
お母さんったらなんでこんな大事なこと忘れちゃうの!?
「従兄弟のショウちゃん家、今年はウチ来るって」
「え!いつ!?」
「明日」
ばかばかばか!
いまさら美容院行く時間もないし、
ネイルは伸びちゃってるし、
…あ!イチオシのコスメも終わりかけじゃん…。
「ちょっとアンタ、いつまで準備してるの!
いい加減挨拶しに来なさい!」
なによ!誰のせいだと思ってんの!
…でも仕方ない、会わなかったらもっと後悔するもん…。
今できる精一杯のお洒落をして、
バクハツしそうな心臓を抱えながら、
ひとつ年上の彼に会いにいく。
「こ、こんにちは…」
「…あ、久しぶり…」
ぎこちない会話。
息が止まりそう。
だって目に飛び込んできたのは、
記憶よりずっと大人びた、
真っ赤な顔の君。
▼突然の君の訪問
8/28/2022, 10:24:33 AM