配送員A

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星と星とは交わらない
真空を隔てて遠く佇み
あるかなしかの微かな光が
誰かに届けば、まだいいほうだ
誰にも出会わず
絶対的な静寂の中で
誰にも看取られずに燃え尽きていった星々が
今まで幾つあっただろう
宇宙は巨大な孤独の闇だ
その凍えるように寒い 真っ暗な中に
ひとしずくの水のように青く浮かんでいるのが
この地球という星なのだ
ねえ
離れ離れは寂しいかい
けどさ
離れられるのは
一度近づいたからだ
出会わないものは別れられない
苦しまなければ慰めはない
ひとしずくの水の表面に浮いている
ミクロの埃のような私たちだよ
近づいたり離れたり
絶え間なく動き回って
忙しなく動き回って
何を嘆くことがあるんだろう
また会えるとは言わないが
別れなんて、そんなものじゃないのかね
私たちはあの孤独な星々よりも
しあわせなんじゃないのかね
だって
この甘やかな痛みを
さようならを言う悲しみを
この先何度でも知るんだから

11/16/2022, 6:38:03 PM