美しい夕暮れがあって
息を呑むような紅葉があって
秋の麗らかな日差しと共に
ほんのり暖かい風は
何処までも柔らかかった
誰が冬の訪れを予想しただろうか
誰が幸せの終焉を予想しただろうか
ずっと続くと思っていたのに
暖かな陽の光はいつまでも
陰らないと思っていたのに
冬は突然訪れた
あの日の絶望と共に
私の心が冷えきった時
冬は一緒にやって来た
強く吹き荒ぶ寒い風
新しい傷にも治りかけの傷にも
容赦なく吹き付ける
積もり続けるくすんだ雪
純白と程遠いそれは
私の心に重くのしかかる
あの日冬を迎えた私の心に
春の息吹は吹き込まない
雪解けは延々と訪れず
木枯らしは止むことを知らない
もうしばらく経ったはずなのに
寒さは厳しくなっているよう
もう春がやって来る頃なのに
冬はいつまでも深まるばかり
あぁ
暖かい貴女の言葉で
春風をそよがせて欲しい
暖かい貴女の心で
私の雪を溶かして欲しい
叶わない事だとは分かっているけれど
それでも私はいつまでも春を待つ
12/18/2022, 10:29:04 AM