ゴトゴトと音を立ててベルトが流れる。
運ばれているのは大小様々なカケラだ。
カケラたちは大きく口を開けた検査機へ入っていく。
検査機を抜けると、ベルトは二手に分かれている。
検査基準を満たしたものと、そうでないものだ。
前者は汚れの少ないもの。温かい水溶液に付けて浄化し、リサイクルする。後者は汚れが酷いもの。炉にかけて溶解し、材料としてリサイクルする。
検査機の動作確認を終えた俺は、落第のベルトにかすかに汚れたカケラを見つけた。この程度の汚れで落第とは、可哀想なやつだ。合格と不合格とか、採用と不採用とか、常に選別が付いてまわる世の中。死んだ後ですら、天国と地獄に選別されるとかしないとか。
俺はカケラをベルトに戻した。どちらかのベルトに戻すしかないのだ。どちらかといえば、もちろん落第のベルトだ。
俺はカケラに興味を失い、いつもの仕事に戻る。
5/28/2023, 9:01:37 AM