罠話

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ある日おばあちゃんに貰ったもの
いつしかタンスの中に入れて忘れていた。

「たしかこの辺に…、あ、あった」
もうそこは、要らないもの置き場になっていたけれど、突然思い出した。
「綺麗…、もう10年は経ってるはずなのに」
いつもお守りにして持ち歩いていた。
学校に行く時も、遊びに行く時も、ご飯を食べる時も、寝る時も、肌身離さず
けれどある日実家のタンスに入れたまま、時が経ち、いつしか忘れていた

「どうやってたっけぇ…」
記憶を掘り起こしながら、昔やっていたことをもう一度再現してみる
「おばあちゃん、明日も元気でいてね」
そう言い、ソレを握った手に力を込める
昔からやっているこの行動に大して意味は無い
けれど、なんだか、
「少し…気持ちが楽になったかも…ね」

仏壇から笑顔でこちらを見ている祖母を見て、
自然と涙がこぼれてきた
片付けをしようと実家に戻ったが、様々な思い出で頭がいっぱいになってその場に座り込んだ
「ずっと、大切に持っててくれたんだね…」
もう一度、手に力を込めた

生前、祖母がくれた綺麗なペンダントに

力を込めて

10/7/2024, 1:17:17 PM