多田野一人

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空に向かって
春風に乗って飛んで行く桜の花びら…煽られて、空高く舞っている一片が、だんだん小さくなって行く…
あの一片が、目に焼き付いて、忘れられなくて…皆んなと別れて、青空に吸い込まれそうな、淡いピンクの花びらは、何処まで飛ばされたのだろう…あのまま、空に飛ばされて、夕焼け雲になったのか…それとも、海に落ちて、桜貝になったのか…誰かの胸に溶け込んで、初恋に変わったのか…そんな取り留めのない空想が、少し病みつきな、春風の心地良い四月のとある午後のひと時…

4/2/2025, 3:17:02 PM