たかなつぐ

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※テーマ無視
『生きつく果ては』

 ずっと「キレイに生きなければならない」と思っていた
 そして、その「キレイ」の基準はすべて、世間一般とか他人の基準だと思っていた

 自分の中にある基準なんて全部、全然信用できなくて
 いつも
 「誰かがこう言ったから」「あのとき、ああ言われたから」
 そういう記憶を蓄積していって、
 頭の中でトレーディングカードみたいに集め続けて
 判断に迷ったときや、正解がほしいときに、山札から選んで使った

 私のオリジナルカードなんて、ほんの数枚しかない
 私の考え方なんて、誰にも認められなかったから。 

 周囲の大人の考え方を受け入れれば、喜ばれた
 自分の我を通せば、「わがままだ」とか「冷たい」だとか言われた
 だから私は、周囲の人間が文句を言わない選択だけをするようになった

 今思えばそれは、キレイでも何でもない
 ただ、自分の感情を殺していただけだった

 叱られようが、怒鳴られようが、私は心地よい選択をすればよかったのに
 それができなかったのは、私が私の感覚を信じられなかったから。

 「これが普通」と言われれば、それが正解だと信じて疑わなかった
 周囲の人間の発言から価値観を内面化し、それに従うことが、自分の価値を示すことだと、信じて疑わなかった

 もし仮に、だ。
 現在、社会的に何もしていない私の将来が、酷く醜いものだとして
 それが、今を生きる私が辿り着く、逃れられない結末なのだとしたら
 私は、それを受け入れようと思う

 ずっと「他人に認められなければ」
 「博識な人物のお墨付きをいただかなければ、私の人生は無価値である」と
 無意識下で、説得力のある他人からの救済を求めていた。

 今日、不意にそのことに気づくことができた
 そしてその感覚は、私の人生をつまらなくするだろうと、直感的に思った

 もし仮に。著名な先生方が、私の人生に失格の烙印を押してたとしても
 私は、「自分の今の人生」に落胆しない。絶望しないことに決めた。
 【自分なりに、毎日歩いてきたからだ】
 それが他人と大きく違う道筋だとしても、ここまで生きて来たのは間違いない。

 今、私は自分を見失っているように感じている
 けれど、今ここに文章を打っていることは事実だ

 文章を書きたいと思って、タブレットを開いて、ワイヤレスキーボードを開いたのは、間違いなく私の意志なのだ。

 ずっと動き続けなくていい。
 ただ、自分の心に耳を傾けて
 「これがやりたい」を、聞き逃さないようにしよう
 それが今の私にできる、未来へ繋がる唯一の選択だと、私は信じている。

6/13/2023, 5:01:55 AM