萌葱

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側にさえ、居られれば良いと思っていたのに。

気がついたら、君は僕の隣で寝ていた。
ゲームをしていてうっかり寝落ちたのだろう。腕はだらりと垂れ下がっており、ゲーム機はソファから落っこちそうになっていた。ゲーム機を拾い上げ、そっと机に置く。
君はいっこうに起きる気配がなく、すやすやと心地よさそうに寝ている。
僕は君の頭に手を伸ばした。そっと撫でてみる。
さらりとした君の髪は僕の指のあいだをするりと通ってゆく。

ちょっと前だったら、それだけで十分幸せだった。
でももう、髪を撫でるだけじゃ足りないよ。
僕は酷く欲張りになってしまった。

3/1/2023, 10:03:59 PM