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心の隙間は案外越えられないものだ。
君と一緒にいて、何となく思った。

ちっともこちらを向かない。
磁石のように、近寄れば離れる。
浮かべる笑みは空虚だ。

耽美な恋愛をしようと囁くつもりはないが、あまりにもつまらぬ恋だと思わないかい?
実らない果実。埋まらぬティーカップの隙間。
聞こえはいいが肌寒い。


熟れたイチジクのように赤く色づいた君の頬と鼻先に見とれることすら君は許してくれないけれど。

いつかその先にある、
艷めく君の肌に触れることが出来たなら。

冷たくも繊細な、
君の美しい目尻にキスを落とせたら。

願う心は熱く溶ける。
このまま君と繋がれたらいいと、そう願った。

11/10/2025, 8:37:17 AM