詩『ピクニック』
(裏テーマ・桜散る)
私は勉強が苦手というか大嫌いだ。
当然ですが成績も悪くて高校受験も希望校は落ちて最低の滑り止めの高校にギリギリ入った。
「桜散る」
希望校を落ちたときLINEでみんなにそう送ったけど、お花見してたの?…とか、ヤケ食いする?…とか返信してきた友達もいたけど、母だけは既読スルー。返信の言葉が思い浮かばず祖母の話では泣いていたらしい。
私は期待してなかったから、本当に平気だったから遊び半分で「桜散る」って書いたのに、母のせいで悲しくなった。
何かあると食べられなくなる可愛い女の子は多いけど私はヤケ食いするタイプなのです。そのことを知ってるからなのか合格祝いにもう準備していたためかは分かりませんが、落ちは日の夕食はご馳走でした。
就職も全滅して大変だった。
担任の先生と母がタッグを組んでものすごく頑張ってくれたみたいで思いのほか希望に近い会社に就職が決まったときは、三人で抱き合って喜んだ。
初めてできた彼氏と別れた夜は、生まれて初めて食べられなくなった。二日目には母が気づいて心配して、うるさく食事だけは食べてと言うから怒鳴って母を泣かせた。
「お母さんは卵焼き作って」
「私はおむすび作ったから次は唐揚げ」
桜のお花見にみんなで行く予定だっけど、今年は思っより早く桜は散ったとテレビで言ってた。
私は旦那さんに荷物持ちと運転手をさせて、赤ちゃんの娘に哺乳びんでミルクを飲ませながら母と後部座席で桜の名所の公園を探した。
やっぱり、ほとんど散ってた。
「これじぁーお花見じゃなくて、ピクニックだね」
母がそう言うから、
「うるさーい! ピクニック最高!」
そう叫んでやった。
結局、いつも私の一番の味方は母だった。
少し口は悪くて、おせっかいだけど、どんなときも助けてもらっている。今もそうだ。
なかなか、ありがとうって言えないけれど、長生きして欲しいと思いながら卵焼きを食べた。
母の卵焼きの味を今度は覚えて作れるようにがんばろう。みんな歳を取ってゆくから。
あれ?
私、泣いてる?
花粉症だね。(笑)
4/17/2024, 2:25:16 PM