ゆかぽんたす

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いつものカフェ、いつもの窓際奥の席、いつものホットカフェラテを注文して持ってきていたお気に入りの文庫本を読んでいる。ただ、頭の中は今いち物語の内容を考えられておらず。読みながら、まだかなまだかなとさっきから落ち着かないでいる。大切な人を待つ時って、こんな気持ちになるんだな。

せっかく頼んだことだし、と思ってカフェラテに口をつけた。今日は秋晴れで過ごしやすい。少し前までは暑い日々だったから、こういう室内で会うことを好んでいたけれど。そろそろ外を散歩するのもいいかもしれない。ここからすぐ近くに有名なイチョウ並木の道がある。もう少ししたら見ごろかな。駅の反対側には、コキアがいっぱい植えられた公園がある。あそこもそろそろ色づいて来る頃かもしれない。夏が終わっても、綺麗な景色は近くに沢山あるものだ。何気ない風景だって、あの人と一緒に歩けば特別なものになる。
噂をすれば、窓から見える交差点に見慣れた人物が信号待ちをしている。待ってる間もしきりに腕時計を確認しているのが見える。約束の時間から2分遅刻だ。ここに来たらまずは私に謝ってくるんだろうな。そんなことを想像しながら、私は店の窓から貴方を観察している。そうとは知らずに貴方は青になった横断歩道を駆け足で渡っている。私のもとに駆けつけるために急いでいる。そんな、他人から見たらなんてことない風景だけど、私の瞳にはかけがえのない幸せな風景に映るのです。

9/25/2023, 12:38:15 PM