午前3時、ベランダに出て夜風を浴びる。しばらくの沈黙が続いた後、煌びやかに街を照らす月へ囁くように呟いた。「なんで先に行っちゃうかなぁ。」自身を嘲る様に嗤えば、ひゅうと靡く風に背を向けながらスマホを開いた。何をするでもなく、ただ人間ふたりが写ったホーム画面をぼんやりと眺める。あいしてた、なんて零して、その場を後にする。真夜中のベランダには、空虚な妄想ばかりが残されていた。
5/17/2024, 3:37:59 PM