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 初めて君に触れた時、あまりの肌の柔らかさとみずみずしさにゆびさきから痺れてしまった。

 力を入れてしまえばポキリと折れてしまいそうな手首。そのさきの手は華奢な指が付いて絡めるとおずおずと握り返された。それすら細くやわくて。回を重ねても感覚は変わらず研ぎ澄まされていくようだった。
 手のひらでは物足りなくて君の頬にそっと口付けをすると朗笑している。指よりも頬の方が、頬よりも唇の方がより心地がよい。体が君を欲して腰を抱いて、逃げることのないように顔を固定して啄んだ。
 やはり足りなくなって表面を合わせるものから少しずつ深くしていく。君は受け入れてくれているのに俺の服をきゅっと握る仕草がいじらしくて。

 君で満たされたい、満たしたい。『欲望』は留まることはなく溢れ、行為はエスカレートして脳髄から甘く痺れて。くぐもって鼻にかかった声が鼓膜を震わせて空洞を抜けた。

「余裕、ない…?」
「君の前ではいつだってないよ」
 完全に息が上がっている。視界が天井に変わっていることに戸惑いつつ俺の熱に気付いた君は

「…もっと?」
「散々してるのに、欲張りかな?」

 ふるふると首を振り、頬を赤く染め上げながら両腕を開いて俺を迎えてくれるんだ。
 そしてまた底のない『欲望』が渦巻いていく。

3/1/2023, 11:03:17 PM