何回目だろう。酔い潰れた君を抱えて帰るのは。
アルコールとシャンプーの匂いが鼻に残る。
真っ赤になった君の頬を撫でれば冷たい僕の手に君の体温が移る。
毒が回るみたいに、その体温は僕を蝕んで君の虜にしていく。
僕の足音に乗って、君が機嫌よく歌い出す。
音程なんてばらばら。リズムなんて知ったこっちゃない。
けれど、そんなのどうでもよかった。
ふかふかのタオルみたいな、あまーいカフェオレみたいな。そんな君の声はどんな娯楽よりも心地よかった。
「Wherever I go
Far away and anywhere
Time after time, you always shine
Through dark of night, calling after me
And wherever I climb
Far away and anywhere
You raise me high, beyond the sky
Through stormy night, lifting me above、」
おやすみ。僕のお姫様。
8/21/2025, 1:37:26 PM