「言葉にできない」
谷川俊太郎の
「春に」という詩がすぐに思い浮かんだ。
合唱曲などで有名なので
聞いたことがあると思う。
知らなかった方は調べてみて欲しい。
合唱曲の方も素晴らしい。
詩中では、
「この気持ちはなんだろう」
と繰り返している。
これほどまで
言葉にできない感情を、
そしてそれに対する葛藤やもどかしさを
見事に書いてみせた詩はないと思う。
タイトルの「春に」
私はなぜこのタイトルなのか不思議だった。
春らしさを表す言葉は
詩の一部にしかない。
春は出会いと別れの季節。
そこに伴う、期待や不安といった心の揺れ。
それを重ねたのだろうか。
なぜ「に」が付いているのか。
春という季節に限定させて、その季節の特徴でなく
その時期に感じる感情
に意識を寄せたかったのだろうか。
込み上げてくる言葉にならない感情を
春が持ってくる。
春がそれを包む。
柔らかい風が
その力強いエネルギーをも飲み込んで
遠くに持っていく。
晴れやかな気持ちでそれを見送って
微かに残る疲労感が暖かい。
春は新しいことを運んでくる。
次の春に、
今年また新しく溜め込んだエネルギーを
風に託して放ち、新たな一年を生きよう。
4月、春。
新学期、新生活。
何も変わらないような日々が再び始まる人だって
何かが違う年になる。
春に。
4/12/2026, 9:57:13 AM