目が覚めると視界には整った顔の彼が気持ち良さそうに眠っていた。頬を触ると手入れをしていないのが嘘なのではないかと思うほど滑らかな触り心地だ。
「すべすべだぁ」
寝惚けながら彼で遊んでいると青とも緑とも言える不思議な色の目が瞼から覗かせる。
「ん、はよ」
おはよう、と返事をする前に腕を取られそのまま引き寄せられたと思えばすっぽりと腕の中。甘えるようにすり寄れば答えるように腕の力が強くなる。
「可愛すぎるぞ、と」
彼は自分のテリトリー内に入った人間にはとことん甘い事を付き合ってから知った。それはもう彼がいなくなったらこちらが立ち直れないほどに。
「レノ」
「んー?」
私の髪を優しく弄る彼の頬に口付けをする。
「大好き」
すると少し驚いた表情をした後、今度は苦しい位に抱きしめられる。
「はは、こりゃかなわねぇな」
朝の幸せな時間。
-目が覚めると-
7/10/2024, 9:50:58 PM