星嶺歩王

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「卒業式?泣かないよ笑
なんで俺がお前のために泣かないといけねんだよ笑」
「君はいつまでもひどいなぁ笑」
他愛のない会話をしながら帰った2月28日。
中学からずっと一緒だったたった一人の親友(?)と笑いながら、いがみ合いながら(笑)帰った卒業式の前日。
俺たちは晴れの門出を待ちに待ちながら、帰路に着いた。


「っ…うぅっ…」

「何泣いてんだよ笑泣かないって言っただろぉ?」

俺の足元で親友は嗚咽をあげるほどに泣きじゃくっている。
俺はしゃがみ込んで彼の顔を覗き込むが、俺を見る事も跳ね除ける事もせず泣き続けている。

「なんで…なんでぇ…!」
「なんでもクソもねぇだろ笑」

辺りを見回すと、父さんも母さんも、担任のいけすかない先生も皆んな泣いていたり悲しい顔をしていたり。
水臭いったらないなぁ。
少なくとも、お前以外の人間は嬉しいだろぉ?
皆んなが望んでた事じゃねぇか!
俺の素晴らしい旅立ちを目に刻んでくれよぉ〜。

文字通り綺麗だったと思うぜ〜。



『昨日23時50分頃、〇〇市〇〇区〇丁目の雑居ビルの前で死体が発見されました。遺体は、身元が判別出来ない状態で、警察は身元判別を急ぐとともに、自殺として捜査を進めている方針です。』


3/18/2026, 6:00:34 AM