君の素直な感情表現は見ていて退屈したことがない。泣いたり笑ったり、自分を偽ることをあまりせず、立場上言えないこともある俺の気持ちを汲み取って代弁してくれたり救われている。
無理をしているとわかるのは君を良く観察してるからだけじゃなく顔にでているからだ。ちょっと眉を下げて笑うところは付き合ってからずっと変わってなくて。街道を散歩している今も、ほら。
「足、痛めたんだろ?見せて」
履き馴れていない靴で靴擦れしたことを隠して歩き続けようとしていた。ベンチに引き上げ患部の状態を見る。皮がめくれかけて保護するように絆創膏を貼る。
「応急措置にしかならないけど、歩きにくいならすぐ言ってくれ」
「ありがとう。何でわかったの?」
「君の専門家だからかな」
ちょっと得意気に答えたら「えぇ!?私、研究対象?」鈴のような心地よい声で笑っている。
コロコロと忙しない君の心はきっと『カラフル』なんだろう。口に含んだら七色の飴玉みたいに次々味が変わって夢中にさせるんだ。君を曇らせる出来事は極力排除するつもりでいる。
5/2/2023, 7:46:35 AM