お題 さよならは言わないで
お母さんはいつも明るかった
何気ないことでも、きっと悲しいだろうことも笑いに変えていた。
私の父は小学5年生の頃に死んだ。
お母さんは泣いていなかった。私は不思議に思った。
しかし、夜中に手洗いに行く途中に泣き声が聞こえ、ふとお母さんの部屋を見てしまった。
すると、めったに見ないお母さんの泣き顔。
私はこのときなんと思っただろう。
「なにぼっとしてるのか?」と従姉妹の声がうっすら聞こえてきた。
「今日はお母さんの葬式だ。ちきんとしろよ」
そうだ…今日はお母さんの葬式だ。
私はお母さんの死を受け止められない。
……仕方ないこと…だとは思うが……またあの笑顔が見たい。 さよならなんて…簡単に言わないで
12/3/2024, 11:46:35 AM