目の前に広がる悲しみの海。
ぼーっと見ていると、何かに足を掴まれ、海へ引きずられていく。
悲しみの海の中は青くて、すごく深かった。
どこまでも、どこまでも沈んでいき、もう私はこのまま永遠に沈んでいくのだろうか?
すると、上から光が射し込んできた。
光の手が……私の元へ伸びてくる。
「掴まって」
温かい声で、私に呼び掛けてきた。
私は手を伸ばし、光の手を掴む。
掴んだ瞬間、一気に上へ上がっていき、海から這い上がる。
「もう大丈夫だよ」
私に手を伸ばしてくれたのは、希望だった。
6/29/2025, 11:17:17 PM