𝓼𝓾𝔃𝓾𝓴𝓪𝔃𝓮

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きらめき


あの日一つの命が消えた。

最期の最期、その一瞬まで君は私の手の中で生きることを諦めず、羽ばたこうとしては、力尽きた。


美しく淡いブルーの翼を持つ君は可憐で気高く純粋で、

どこまでも無垢でお茶目で思慮深かった。


ひとしきり空中散歩を楽しむ最中(さなか)、気まぐれに私の肩に降り立っては夢中になって後れ毛で遊んでいたりして。

かと思えば、いつの間にやらその肩先でちんまりと丸く膨らみ眠っていて。

その愛らしい姿に私は何度温かい気持ちを貰ったことか。


微かに空気を震わす薄絹ほどの質量しか持たない儚げな君の、その潤沢で圧倒的な命のきらめきに、私はいつも驚かされてばかりだったんだ。


ピュロロピュロロと凛々しく誇らしげに私を呼ぶ声が、二人で過ごした記憶の森から今もときおり聞こえてくるよ。

その鳴声(めいせい)が求愛だったと知った今、無性に君に会いたくなった。


愛鳥アジュールに捧ぐ



お題
きらめき

9/4/2024, 1:33:36 PM