お茶の子

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学生時代、どうしようも無い気持ちでいっぱいになったときは1人で夜の海を見に行った。

親には危ないと怒られるから、いつも黙って寄り道をした。

浜辺の波打ち際まで寄って、波の音に耳を傾けながら歩く。

人はほとんど居ない。
というか暗闇でほとんど見えない。

波がざばーん、と打ち寄せては引いていく一定のリズムに耳を傾けて
砂浜の不安定で重たい感じに意識を向けたら

余計な思考が消えていく。

人もいないから人目を気にしなくていいし
暗闇なお陰で五感に集中できる。

そうしてしばらく歩いて、もう疲れたってところまで来る頃には
少し心の余白が出来ている。

私にとって夜の海は
私だけの特別なもの。

8/15/2023, 11:52:52 AM