あれ、こんなところにドアなんて有ったかな?
いつものようにリビングの掃除をしていた時、飾り棚の裏に小さなドアを見つけた。
掌と同じ位の、凝った装飾の茶色い木のドア。
恐る恐るドアをノックしてみた。
「はいってますよー」
間延びした男の声が中から聞こえてくる。 入ってるんだ……。
もう一度ノックをすると、煩わしかったのか強めにドンッと返された。
怒ることないじゃん、声の主に対して腹が立った。
ので、金色のドアノブを指で摘んで軽くひねる。
鍵は掛かってないようだ、不用心な奴だと嘲笑う。
そのままノックもなしにドアを勢い良く開けた。
知らない男、の生首が入っていた。
鼻の奥を刺激する腐臭に、鼻を服の袖で覆っていると腐り落ちた目玉と目が合う。
「はいってんだから、開けるなよっ」
黒い液を床に垂れ流しながら怒鳴り散らす生首。
「やめろ、ワックスかけたばっかなのに!」
バッと飛び起きて叫んだ。
テーマ「夢と現実」
12/5/2023, 5:07:32 AM