水際の海の底は、見ることができる。波にさらわれる砂と、たまに、ちらちら貝が揺れている。深い深い海の底はなかなか見ることがてきない。
船に乗って、海を眺めた。青のような緑のような色から、その奥行きの深さが感じられる。「あー、いっそのこと深海の魚になりたい」。思わずつぶやく。誰にも惑わされず、暗闇の中、一匹狼で生きていきたいなんて思う。
「そこはそこで大変だと思う。深海の中の生き物って、強い気がする。光のない世界で生きるために色々変わってきたのかもしれないから」と、君が言う。
そうか。どこも同じか。それにしても、君はいつも淡々としている。「感情がすごく動くことってある?」と聞くと「あるよ。でもそんな時は、それを海の底にポーンと捨てているから」。にっと笑う。やっぱり君はよくわからない。
「海の底」
1/21/2026, 5:30:32 AM