花影

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「貴方が産まれた以上、私から授けるものがあります」

「なあに、それ」


両手の中に、光るものが見える。光が強すぎるせいで、それがどんな形をしているのか分からない。


「ココロ、です。貴方が……いえ、私たちが生きる上でとっても大事なもの」

「無くなるとどうなるの?」

「そうですね……空っぽになる、とでも言えばいいのでしょうね」

「空っぽ?」

「そうです。後々分かるでしょう。……貴方には、何があっても手放さないで欲しいのです」

「……?分かった」


その光を抱きとめる。形も感触も分からないけど、ただ1つ言えるのは。

とても、暖かい。ってこと。


2025/02/11
ココロ

2/11/2025, 1:02:39 PM