あるまじろまんじろう

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 銃声が一つ、廃墟に響いた。
 じめっとしていて埃っぽい、煤けた地面が近づく。頬に感じる地面に薄ら積もった砂利の質感と、満足に力を入れられない身体が、取り返しのつかない傷を負ったのだと訴えていた。急所から狙って一発。無駄のない、一瞬。あと数分ほどだけ、自分は死に損なうのだろう。
 冷たい風がふいた。



秋風

11/14/2023, 1:05:50 PM